家族がカウンセリングを受けるのは意味がある?

家族がカウンセリングを受けるのは意味があります。

 何らかの問題を抱えているけれども、カウンセリングなどには行きたがらない方は結構いらっしゃいます。カウンセリングに連れて来たいが本人が来たがらないので…ということでまずは家族が相談に来られる場合もあります。家族は自分がカウンセリングを受けてもあまり意味がないと思っていますが、結論から言うと、意味があります。

 

まず家族がいやされる必要がある。

  家族は本人と24時間向き合っていると言っても過言ではありません。あの時こうすればよかったという後悔、どう接したらいいのかという迷い、将来どうなっていくのかわからない不安・・・過去、現在、未来に悩みは尽きないと思います。よく援助職である私達に対して「自分もしんどくならないですか」と尋ねられますが、それは仕事をしている時間内全力で向き合えばいいからできることであって、家族のしんどさは休み無しです。また、家庭内のことを誰にでも話せるわけでもなく、家族が問題を抱え込んでしまうことも多いです。まずは家族が少しの時間でもしんどさから解放される時間を持つことが必要です。カウンセリングで気持ちをはきだし、ほっと一息をつく時間をもつことが、また今日を、明日を生きていくためのちからを充電することになるのです。

 

本人と自分を客観的に見る時間になる。

  先程も書きましたが、家族は24時間体制です。本人に対することは誰よりもよく知っていますが、しかし、ずっと一緒にいるからこそ、家族だからこそ、距離が取れずに本人の言動に振り回されたり、冷静な判断ができない場合も多いのです。カウンセリングでは、日々のできごとを振り返りながら、本人とのやりとり、家族自身の気持ちや考えを整理していきます。そうする中で、今まで見えなかった本人の気持ちや家族の接し方のポイントに気づくことがあります。カウンセリングは、病気を治すことが目的ではなく(カウンセリングは「治療」とは言いません)、カウンセリング受ける人がより良く生きていくための方法を共に探す方法なのです。

 

本人は、自分のために家族がカウンセリング受けにく姿を見ています。

 ここまでは家族に対する効果ですが、実は家族がカウンセリング受けることで本人にもいい影響が出る場合もあるのです。それは、特に本人がカウンセリングを含めた支援を拒否しているケースによく当てはまります。本人は、家族がカウンセリングを受けている姿を見ています。自分のために家族が時間を使ってカウンセリングを受けていることが、家族が自分を想ってくれていると感じます。また、カウンセリングを受けて自分への接し方が変わってきたと感じると、カウンセリングをはじめ、支援に対して「自分も変われるかもしれない」と興味が湧いて、動きが生まれるのです。

 

このように、家族がカウンセリングを受けることには、直接的・間接的に本人へのいい影響があります。本当は本人にカウンセリングを受けさせたいと考えてこのブログを読んでくださっている家族の方もいらっしゃると思います。しかし、まずはあなたが第一歩を踏み出すことが、本人の変化へもつながることがあるのです。