カウンセリングは問題の解決にどれくらいかかるのか?
カウンセリングの効果が出る目安の期間
カウンセリングには、期限というものはありません。私が働いていたときも、よくクライエントから「どれくらいで良くなりますか?」と尋ねられました。尋ねられた時は、「カウンセリングはすぐに効果が出る方法ではありません。一概には言えませんが、だいたい6ヶ月くらい続けてみて、変わってきたかな?と思える感じです。」と答えていました。そうすると「そうなんですか」と納得する方、「そんなにかかるんですか!」と驚かれる方、さまざまでした。多くの方はしんどさを早くなんとかしたくて来られている方がほとんどなので、早く直したいと希望される人は多かったです。しかし、カウンセリングは「話せば、しんどさが消えてなくなる魔法」ではなく、実際は自分でも気づいていなかった部分に気づいていく作業なので、時間がかかる場合が多いのです。
短期的に実施するカウンセリングもある
カウンセリングには多くのやり方があるので、中には短期的に問題にアプローチするやり方もあります。ブリーフセラピー(短期療法)や短期的な目標を設定した認知構想療法や行動療法などが短期的なカウンセリングにあたります。多くのカウンセラーはそれぞれに得意な方法を持っているので、カウンセリングを始める前にそのカウンセラーのしているカウンセリングの方法を聞いてみれば、じっくり問題に向き合うタイプのカウンセリングになるのか、比較的短期に終了するのかの目安になります。また、カウンセリングの期間についてあなたの希望も伝えておくことも良いことです。希望通りに行くとは限りませんが、カウンセラー側でその期間について考えてくれる場合もあるでしょうし、あなたがどうしてその期間にこだわるのか一緒に考えることが、もしかしたら今困っていることの解決の糸口になるかもしれません。
カウンセリングのゴールがどこかによって、どれだけ続けるか変わってくる
短期療法とは逆に、比較的ゆっくりと時間をかけて自分と向き合うタイプのカウンセリングが、精神分析的心理療法など、無意識をあつかうカウンセリングです。しかし、「自分」との付き合いは一生モノです。考えても考えてもキリがない。なので、中にはカウンセリングである程度落ち着けた、すべての問題が解決したわけではないけど、自分だけでやっていけそう、そういうところまでこれたら、カウンセリングを(一旦)終了してみるという方法もあります。またうまく行かなくなったり行き詰まったら、再開を考えるのです。生きていく限り、何かしらの問題はでてきます。それらすべての回答をカウンセリングに中に求めるのではなく、一部分をカウンセラーと共に考えてみる。そうすることでまた別の問題に直面した時、きっと以前とは対処の仕方に変化があると思います。カウンセリングは答えを「処方」するものではなく、自分で客観的に状況を把握し、対処する方法を見つけ出す作業なのです。