カウンセリングは受けてみたい、でも調べてみると、カウンセリングのほとんどは保険診療外で、料金の高さに二の足を踏んでしまうということが多いのではないでしょうか?都会だと1回1万円をこえるところすらあります。どうしてここまでカウンセリング料金は高いのでしょうか。
保険診療外である。
カウンセリングは医療行為ではありません。病院でカウンセリングをしているところも、条件があり、保険外で自由診療となっているところもあります。2018年公認心理師が日本ではじめての心理職の国家資格として誕生しました。(現在は第1回の資格試験が終了し、登録段階です)この公認心理師をどのように国が保険点数やその他の事業にからませていくのかによって、カウンセリング料金にも影響が出てくるかもしれません。少なくとも現段階では、病院を始め、カウンセリングルームの多くが実費でのカウンセリングとなっているため料金は高くなっています。
心理士(師)を維持するのにもお金がかかる
カウンセラーはただウンウン言いながら話を聞いているだけではありません。もちろん、クライエントの話をさえぎらないように、その人が語りたいことを話しやすいようにカウンセラーの言葉は日常の会話よりは、少ないかもしれません。しかし、話を聞きながら、頭の中はフル回転、その人が今どうして困っている状況に陥っているのかを深く理解しようとしながら話を聞いているのです。そのためにはひとの心理についての様々な知識が必要です。また、心理学は「科学」なので、新しい研究の結果や知見が発表されていて、それらについての知識も新たに吸収する必要があるのです。知識を得るために、多くの心理関係の学術書を読んだり、学会や研究会にでたりすることとなり、それにもお金がかかってきます。特に臨床心理士は、資格が5年ごとの更新制のため必ず発表や学会出席、講習の受講をしてポイントを獲得しないといけない資格です。このように、カウンセリング場面以外のところで経費がかかるのがカウンセラーなのです。
カウンセリング料金が高い=良い先生というわけではない
ではカウンセリング料金が高ければ高いほど、良い先生なのでしょうか?それは一概には言えません。カウンセリングルームのある場所にもよるでしょう。都会のほうがカウンセリングルームの場所を確保するための家賃も高いでしょうし、その分それが料金にも反映されます。また、カウンセラー自身が落ち着いてひとりひとりのクライエントの話を聞くためには、カウンセラー自身が安定している必要があります。つまりある程度の経済的な安定も必要ですから、すべての時間を埋め尽くさなくても利益が出せるように設定しているところもあります。確かにカウンセリング料金はどこも安くはありません。しかし、それには、クライエントを深く理解し、その行き場のない想いをカウンセラーがじっくり聞ける状態であることが大切だからなのです。決して、私腹を肥やしているわけではないのです。