カウンセリングについて

 まず、コロナウイルスの影響を受けて、身体的、精神的、経済的などさまざまな点でつらい思いをされている方々にこころよりお見舞い申し上げます。  すべてのひとにとって、このコロナ禍の状況は、長期化し「日常」となりつつあると言っても、常にどこか緊張しているような、しんどい状況だと思います。...
今回は、ひとの発達において何度か訪れる「こころの危機」のうち、特に現代女性に起こりやすい危機についてお話したいと思います。
 カウンセリングの基本的なテクニックとして、クライエントの使っている言葉を代えずにそのまま返すという方法があります。しかし、クライエント側からするとまるでカウンセラーは何も考えすにただ言葉を繰り返しているだけで、まるでオウム返しをされていて、話を聞いてもらえていないと感じることがあります。これは、本来はカウンセラーが話をきいて、カウンセラーの言葉に代えてしまうとそれはクライエントの言いたいこととズレてしまうという考えから来ています。  わかりやすく言うと、「母に『おまえは何をしてもダメね』と言われて、ふつふつと怒りが湧いてきたんです」とクライエントが語ったのを、カウンセラーが「お母さんに対して腹が立ったんですね」と要約して返すと、クライエントが語った、怒りが静かにしかし次々と湧いてくる感じが受け取られずに置き去りになってしまうということです。
 何らかの問題を抱えているけれども、カウンセリングなどには行きたがらない方は結構いらっしゃいます。カウンセリングに連れて来たいが本人が来たがらないので…ということでまずは家族が相談に来られる場合もあります。家族は自分がカウンセリングを受けてもあまり意味がないと思っていますが、結論から言うと、意味があります。